2008年 02月 27日
「人間失格」が流行っているようですね… |
最近、太宰治の「人間失格」がブームになっていると聞いた。
何でも、カバーを有名な漫画家?の方が手がけたところ、瞬く間にヒットしたらしい。
随分変わった世の中になったものだ(笑)
俺は以前このブログで、ちょろっとこの「人間失格」に触れたことがある。
その頃はほとんどコメントなど寄せられなかったのだが、その時だけは1件だけあって、
「葉蔵の苦しみに比べれば、自分はまだまだだと思います」
というような内容のコメントを頂いた。
確かその時俺は、人間失格を読む方は数あれど、これを読んで
「明日から頑張ろう!」
と思う人間は俺くらいしかいないだろう、と書いた。
上記のコメントを頂いた方も、
「さすがに私はこれを読んで「頑張ろう」と思ったことはありませんが(笑)」
といったことも書き添えてくれたと記憶している。
この太宰の「人間失格」は、本来であれば「竜馬がゆく」よりも先にライフログに掲載されるべき小説だった。
でも、俺はためらった。
なぜなら、表面的な理解をされると困ってしまうから。
単に「こいつクラ~い奴だな」と思われてもねぇ(笑)
この小説は、俺に、弱さを持ち続けることの難しさ、大切さを教えてくれる、バイブルだ。
弱さを固いカラで守ってしまうから、人の痛みがわからなくなる。
自分は痛く思わないのだから、鈍感になってしまうのだ。
耐え切れなくなった時、この小説を読むと、俺はとても癒される。
あぁ、俺は間違っていないんだ、と。
太宰は、弱さを持ち続けることに耐え切れず、玉川上水で入水自殺した。
短い創作期間の中で、多くの作品を残した。実験的な作品もあれば、古典をモチーフにした作品、二人称を用いた作品(これは最近「太宰作品はブログ文体だ」といった指摘あり)、破滅的な作品、小市民的明るさに満ちた作品など、実に多面的な才能を持った方だった。
しかし、それら全ては「サーヴィス」であり、自分の為に書いた作品ではなかった。
「人間失格」で、太宰はそれを公言していると、俺は解釈している。
他人などどうでもいい、ただ自分のためだけに書く。
だからこそ、そこに真実がある。だからこそ、人の心を捉え続けるのだと思う。
この作品で太宰に触れた方々は、是非他の作品も読んで頂ければと思う。
個人的には、「走れメロス」「斜陽」「ヴィヨンの妻」といった文庫がオススメ。
「走れメロス」は中期の作品で、短編集。「走れメロス」「富嶽百景」「満願」「女生徒」など。この頃の太宰は生き生きとしていて、健康的である。
「斜陽」は晩年の作品で、長編小説。これが「人間失格」へとつながっていく。
「ヴィヨンの妻」も晩年の作品で、短編集。自殺直前の太宰の心が垣間見える。「家庭の幸福」など。既存の倫理観にあえて挑戦する悲愴な姿が目に浮かぶ。
「おもてには快楽(けらく)をよそおい、心には悩みわずらう」(太宰 治)
この言葉、深いよなぁ(笑)
…しまった、ついつい思い入れが激しくて、こんなに書いてしまった(汗)
お許しを~
何でも、カバーを有名な漫画家?の方が手がけたところ、瞬く間にヒットしたらしい。
随分変わった世の中になったものだ(笑)
俺は以前このブログで、ちょろっとこの「人間失格」に触れたことがある。
その頃はほとんどコメントなど寄せられなかったのだが、その時だけは1件だけあって、
「葉蔵の苦しみに比べれば、自分はまだまだだと思います」
というような内容のコメントを頂いた。
確かその時俺は、人間失格を読む方は数あれど、これを読んで
「明日から頑張ろう!」
と思う人間は俺くらいしかいないだろう、と書いた。
上記のコメントを頂いた方も、
「さすがに私はこれを読んで「頑張ろう」と思ったことはありませんが(笑)」
といったことも書き添えてくれたと記憶している。
この太宰の「人間失格」は、本来であれば「竜馬がゆく」よりも先にライフログに掲載されるべき小説だった。
でも、俺はためらった。
なぜなら、表面的な理解をされると困ってしまうから。
単に「こいつクラ~い奴だな」と思われてもねぇ(笑)
この小説は、俺に、弱さを持ち続けることの難しさ、大切さを教えてくれる、バイブルだ。
弱さを固いカラで守ってしまうから、人の痛みがわからなくなる。
自分は痛く思わないのだから、鈍感になってしまうのだ。
耐え切れなくなった時、この小説を読むと、俺はとても癒される。
あぁ、俺は間違っていないんだ、と。
太宰は、弱さを持ち続けることに耐え切れず、玉川上水で入水自殺した。
短い創作期間の中で、多くの作品を残した。実験的な作品もあれば、古典をモチーフにした作品、二人称を用いた作品(これは最近「太宰作品はブログ文体だ」といった指摘あり)、破滅的な作品、小市民的明るさに満ちた作品など、実に多面的な才能を持った方だった。
しかし、それら全ては「サーヴィス」であり、自分の為に書いた作品ではなかった。
「人間失格」で、太宰はそれを公言していると、俺は解釈している。
他人などどうでもいい、ただ自分のためだけに書く。
だからこそ、そこに真実がある。だからこそ、人の心を捉え続けるのだと思う。
この作品で太宰に触れた方々は、是非他の作品も読んで頂ければと思う。
個人的には、「走れメロス」「斜陽」「ヴィヨンの妻」といった文庫がオススメ。
「走れメロス」は中期の作品で、短編集。「走れメロス」「富嶽百景」「満願」「女生徒」など。この頃の太宰は生き生きとしていて、健康的である。
「斜陽」は晩年の作品で、長編小説。これが「人間失格」へとつながっていく。
「ヴィヨンの妻」も晩年の作品で、短編集。自殺直前の太宰の心が垣間見える。「家庭の幸福」など。既存の倫理観にあえて挑戦する悲愴な姿が目に浮かぶ。
「おもてには快楽(けらく)をよそおい、心には悩みわずらう」(太宰 治)
この言葉、深いよなぁ(笑)
…しまった、ついつい思い入れが激しくて、こんなに書いてしまった(汗)
お許しを~
by k-open-copen117
| 2008-02-27 23:54
| どーでもいい話